日本の家は「大工」と「左官」だけで建てられたと聞いていますが、左官仕事である塗り壁の今は、「珪藻土」そして昔からの「漆喰」、ですが、珪藻土や漆喰も色々あります。
漆喰と珪藻土の違い
原材料の違いで言えば、漆喰は石灰石という岩石を原材料とする壁材で、珪藻土は古代に植物性プランクトンが湖沼に堆積してできた、珪藻土がが原材料です。
原材料は共に天然材料ですが、つなぎ材や固化材などの混ぜ合わせる材料によって、性能・性質が違ってきます。
漆喰(しっくい)
漆喰は日本の住まいに古来から使われ、今尚人気があり、フラットな仕上がりとなる左官塗り壁です。
漆喰は自硬性があり、空気中の二酸化炭素と反応して(石に戻っていく性質により)固まっていくものです。
漆喰は元々天然素材100%の塗り壁材でしたが、近年の材料には樹脂系接着剤や化学繊維などが含まれているものも珍しくありません。
漆喰の一番のメリットは、伝統的な白塗り壁の仕上げの素晴らしさにあるのかと思います。
強アルカリ性による消臭効果もあるようです。また、調湿性に優れているとよく言われますが、漆喰の調湿性はあまり期待しない方が良いのではないでしょうか。
デメリットは、施工に熟練が必要とされ、施工単価も珪藻土より高めとなります。
ひび割れしやすいのも漆喰のデメリットですね。
珪藻土(けいそうど)
炭や練炭を熾す七輪や、ビールのろ過材、そして最近では風呂上がりの足元に置いて水気を吸い取るバスマットなどに使われ、普段の生活に馴染みの深い珪藻土です。
珪藻土の魅力は何といっても、珪藻土の多孔質が空気中の湿気を吸い、調湿効果にあります。
珪藻土は漆喰と違い珪藻土だけでは固まらず、固めるために「石灰」「石膏」「セメント」「ボンド」などの固化材が必要となり、その固化材に何を使っているかが重要となってきます。
そこで珪藻土選びのポイントは
①固化材に何を使っているか?。
②珪藻土の含有率は何%か?
③珪藻土の産地はどこか?
特に①の固結材で合成樹脂(ボンド)を使うと、珪藻土の折角の多孔質を塞いでしまい、調湿効果の少ない珪藻土となってしまいます。
調湿性能を確認するには、性能の良い珪藻土は壁に直接霧吹きをかけてみると、あっという間に水を吸い込みます。また、塗りのサンプルなどがあれば、ライターで直接あぶってみると、樹脂で固めた珪藻土は黒煙が出ますので、こうした判断で珪藻土の良し悪しを見極めます。