こんばんは! 伊勢崎の新築現場では天井の断熱材施工が始まったので、気合を入れて作業に取り掛かっている聖士です。
天井の断熱材の施工は、足場が悪かったり態勢がきつかったりで結構大変なんです。グラスウールの細かな塵などが直接顔に降りかかってくるので、それのストレスも感じてしまいます。
しかし、大変だからといって手を抜いての施工は絶対にしてはいけないと思います。夏の熱い太陽の熱を屋根・天井面で遮断し、快適な室内環境とするためには天井の断熱施工が重要になってきます。
古い家の天井裏に潜るとモワッとした空気を感じたという経験をしたことがあるでしょうか?普通は、あまり天井裏に潜るという経験はしないですよね(笑)。建築をやっていると、リフォームの時などにそういうことをする時もあります。潜らなくても、天井を解体すると一気に熱を感じることもあります。それくらい太陽熱の影響というものは大きいんです。
松島匠建では、屋根に付加断熱としてキューワンボードを敷き、垂木間には高性能グラスウールを充填する仕様となっています。こうすることで屋根からの熱を室内に伝えにくくするとともに、室内の快適な熱も外に逃がさないようにしているんです。実際に施工したお客様から「屋根裏部屋も全然暑くなくてビックリです!」という感想をよく聞きます。
お客様の幸せそうな顔を見るために、時間がかかってしまっても、いずれは見えなくなる部分の断熱材の施工と、気密シートの施工は細部までこだわってやっていかなければいけないと思うんです。中澤建設での修業中に先輩大工さんに教わってきたことを、松島匠建の大工さんにも伝えて、断熱材の性能がしっかり確保できるような施工を皆ができるように伝えていくことも役目だと思うので、現場内でのコミュニケーションを取っていこうと思います。
今、新築をしている現場の道を挟んだ向かい側のお家には70代くらいのご夫婦が住んでいます。奥様は庭の水やりや自転車や車でお買い物へ行ったり、旦那様は朝お散歩へ行ったりと立派な二階建てのお家で穏やかに過ごしている姿が伺えます。
しかし、現場で仕事をしていると、稀に外まで聞こえてくるほど大きな奥様の声が聞こえてくることがあるんです。今建てさせていただいているお家は、お施主様の奥様の実家の隣の土地なので、お施主様にたまに聞こえてくる大きな声のことを聞いてみるとこんなことを言っていました。
「奥様が旦那さんに対して怒っている声です。昔からそうなんです。基本的にはこちら側には影響はないので気にしないで大丈夫ですよ!」
長年近くで生活をしているお施主様の話によると、向かいのご夫婦は長い間このような関係だったみたいです。気にしなくても大丈夫みたいですが、突然大きな声が聞こえてくるので僕は『ビクッ』となってしまいます。現場に通い始めて二カ月ほど経ったので少しはその光景に慣れてはきましたが、この前このようなことを感じてしまいました。
「あのご夫婦って幸せなんかな?」
お施主様の幸せな生活を創ることが、家を造る目的の、数ある中の一つなんだと僕は思います。立派なお家に住んではいるけど、日々の生活が全く幸せではなくてストレスを感じるとなると、家づくりをしている僕たちの目的からかけ離れてしまいそうです。
奥様は旦那様に対して常に怒っている。旦那様は言い返すことなく静かに過ごしている。これは他の人からすると幸せではないと感じるかもしれませんが、このご夫婦からすると、もしかしたらこれは一つの幸せとして成立しているのかもしれません。どういうこと?って思いますよね。あくまで僕の一つの考えです。
旦那さんはもしかしたら大きな声を出せているまだまだ元気な奥様がそこにいるってことが幸せであると感じている。静かになってしまったら体調が悪いんかな?と思ってしまうので、怒られてはいるけど大声出せるほど元気だからそれが幸せ。
僕は幸せな暮らしを提供したいと思ってはいますが、『果たして幸せって何なんだろう?』と考えています。僕がパソコン作業をするスペースの壁にも『幸せって?』というメモを紙に書いて貼ってあります。
人それぞれ何に対して幸せを感じるかは違うと思いますが、僕なりの幸せを言葉で、そして家づくりを通して表現したいと思っているんです。まだ見つかってはいません。理念などと同じく常に考えながら生活することが必要になってくると思うんです。
幸せについて考えていると『優しさ』という言葉が浮かんできます。優しさは非常に難しく、少し前に「聖士君が優しさだと思っている中に、それは本当の優しさではないこともあるよ。それは『優しさの勘違い』ってやつだよ。」という言葉を掛けていただいたことがあります。この言葉はとても納得しました。
この言葉のように自分が思っていることは常に正しいこととは思わない。自分以外の立場になって考えてみる。でも、それに甘えてなんでも他人の意見に左右されて自分の考えを持たないということはしてはいけないと思います。快適な環境にできると実際に感じた経験、自分にとっての幸せを見つけて伝えていくこと、色々な経験を通して自分の思いを持ち続けたいと思います。見栄を張らず正直に、何事も挑戦です!
ブログを読んでくださりありがとうございます。
松島匠建㈱ 松島聖士