291月

断熱材の比熱、熱容量

断熱材は熱伝導率!比熱は?

 水の比熱と熱容量

 聖士に触発されブログ週一更新中の松島克幸です。

「10年に一度の寒波到来!」にて、この冬の寒さもピークとなり、各地で凍結による水道管の破裂が発生し、水道屋さんは連日奔走しています。

先日あるzoomによるセミナーにて「比熱と断熱材の関係」のお話しがありましたので、今回はそのテーマとなった「比熱」(他に容積比熱、密度、熱伝導率なども)について、分かりやすく自分の頭の整理をしながら書いていこうと思います。

 水の密度特性とその恩恵

ところで初めの水道管の破裂の話に戻り、水が凍結して氷となると体積が膨張するため水道管が破裂する訳ですが、それは言い換えれば水と氷の密度が違うことによるもので、水の密度は「0℃で0.9998g/cm3」に対し、氷の密度は「0℃で0.9168g/cm3」と水から氷となる事で9%ほど体積が増えるためですね。

またもし水より氷の方が密度が大きかったら、河川・湖沼の水は表面で凍っては水底に沈むこととなり、凍り始めた水の中では魚が生きて行けなくもなり、この水と氷の密度の違いによるこの世界の創造は計り知れないものがあるものだと、当たり前と思っていたところに感謝です。

そしてまた、水の密度は温度により変化し「3.98℃で最大密度0.999972 g/cm3 」となり、この3.98℃を越してさらに温度が上昇すると水の密度は低下していきます。お風呂のお湯が、上が熱く下が冷たいのは、熱い水(お湯)ほど密度が小さく上になるからなのですね。

  ↑ 北橘の家の広縁からの眺望

断熱を深掘りするには、これら物理の知識が必要になってくるのですが、教養のない私にとってはこれら物理学の壁が高く立ちはだかり、悩みの種となっています。


 

  比熱と容積比熱

まずは簡単に用語の解説から

・比熱= 物質1kg(g) の温度を1℃(K)上げるのに必要な熱量のことです。比熱の値が大きいほど「温まりにくく冷めにくい」物質である。

・密度 =物質の単位体積あたりの質量のことです。

・容積比熱 =体積あたりの必要熱量のことです。比熱と密度をかけあわせた数値のことで、壁材や断熱材などの熱容量を表す際に用いられます。

  ↑ 省エネ・エコ住宅 設計究極マニュアル より引用

 

 断熱材は熱伝導率!比熱は関係!?

断熱材の性能を示すには「熱を通しやすいか通しにくいか」の「熱伝導率」がどの位であるかと、良く知られている話ですが、「温まりにくく冷めにくい」の「比熱」又は「熱容量」も多少関係するとも言われます。

物質の熱伝導率 熱を通しやすい物から並べると カッコ内の熱伝導率単位(W/(m・K))

アルミニウム(210)→ コンクリート(1.6)→ 水(0.58)→ 木材(0.1~0.2)→ 乾燥空気(0.024)→ 断熱材(0.002~0.005)と、断熱材が圧倒的に低い熱伝導率

そして次に比熱 温まりにくく冷めにくい順に カッコ内の比熱の単位(J/(g・K))

水(4.2)→ 木材(0.8~1.5)→ 断熱材(0.84~1.4)→ 乾燥空気(1.005)→ アルミニウム(0.88)→ コンクリート(0.88)と、比熱では大差がないですが、それぞれ密度に差があるので比熱に密度を掛け合わせた容積比熱では

重さあたりの比熱に対し、体積当たりの容積比熱 その単位(J/(L ・K))

アルミニウム(2400)→ コンクリート(2000)→ 木材(400~600)→ 断熱材(10~100)→ 水(4.2)→ 乾燥空気(1)

ここで、断熱材として比熱を計るには、容積基準の「容積比熱(熱容量)」を目安にしたほうが良いのか?などと、色々疑問が湧いてきます。  

  ↑ 省エネ・エコ住宅 設計究極マニュアル より引用

 

 疑問? 空気の比熱算出(空気1kgって?)

物理を勉強したことのない私には、早くも訳が分からなくなってきました。

比熱って物質1kg の温度を1℃(K)上げるのに必要な熱量のことですが、空気1kgの比熱はどうやって出したのだろうか?と。

また上の水と空気の容積比熱は、水=(4.2)、空気=(1)と、この数値で正しいのか、文献調べても分かりません。ただし、気体は温度が上がると膨張するため、定圧比熱と定積比熱の2種類あるようです。

  ↑ 省エネ・エコ住宅 設計究極マニュアル より引用

 

 暑い夏は断熱材の比熱(熱容量)がカギとも!

一般的な断熱材は熱容量が小さいのですが、セルローズファイバーやウッドファイバーは比較的熱容量が大きい断熱材であって、熱容量の大きい断熱材は温まりにくく冷めにくいので、夏の屋根の断熱に効果が期待できるといわれています。

但し、熱容量が大きく温まりにくく冷めにくい事は、蓄熱性が高い事と同じなので、夏の日中に温まったのは、夜間までその温かさが持続してしまうので、熱容量の大きさはメリットでもありデメリットでもある訳です。

容積比熱比較(参考)
ウッドファイバー    105KJ/m3K
セルロースファイバー   85.2KJ/m3K
GW16K         13.44KJ/m3K
現場発泡ウレタン    27.2KJ/m3K

 ↑ イケダコーポレーションのサイトより

上記の木質繊維断熱材「シュタイコ」は、石油系の断熱材が主である今の断熱材事情の中、循環型資源である木材を原料としてのエコ断熱材であるので、今後はこれらのエコ断熱材が増え、価格的にも使い易くなることに期待です。

  結局、断熱材の熱容量は?

結論として熱容量については、大きい小さいどちらが良いとも、悪いとともハッキリとした結論はありません。

蓄熱するという点では、生活スタイルにより適したメリットデメリットがあり、冷暖房を付けたり消したりすることが多い家は、熱容量が小さい断熱材のほうが、冷暖房が効きやすくなり、逆に、冷暖房をつけっぱなしにする場合は、熱容量の大きな断熱材のほうが負荷が安定するようです。

断熱材の種類は多く、素材にはそれぞれ一長一短がありますので、熱伝導率が低くその上で、価格、耐久性、調湿性、難燃性、遮音性、エコロジー性など考慮しての選択となってきます。 

 まとめ 

まとめるに至ってはいませんが、ひとまず整理してみます。

  • 温めにくく冷めにくいものは比熱が大きい
  • 水の比熱は大きい
  • 水1gを1℃上げるエネルギー量が1cal
  • また、1calは水の比熱4.186[J/g・K]である
  • 比熱(熱容量)の大きい断熱材はセルローズファイバー、ウッドファイバー
  • 熱容量の大きい断熱材のメリットは、室温変化が緩い
  • 木材、コンクリート、石膏ボードなどは、断熱材に比べて比熱が大きい
  • 熱容量の小さい断熱材は冷暖房の効きが早い
  • 断熱材の熱容量の違いで多少の差は生まれるが、大きな違いとしてではない
  • しかしドイツでは断熱材の熱容量の評価が高いらしい(日本でも徐々に)
  • 防音、遮音の効果が高いのは密度(or熱容量)の大きい断熱材

  最後に、水の惑星!

最初に戻って水は比熱が大きいことが分かりましたが、その値は4.186 J/(g·K)です。

砂漠では日中の温度が40℃以上になるかと思えば、夜間には10℃位まで冷え込み1日の気温差が極端に激しくなります。日本でも内陸地域は昼夜の温度差が大きいのに対し、海辺の地域では昼夜の温度差が小さいものです。

これは比熱の大きい水(海水)と、その水より比熱が小さい砂や土などの影響によるものです。

また、私たち人間の身体の60%は水分でありますが、運動や外気などの要因によって体温が上昇する生き物です。もしも水の比熱が小さければ、体温の上下が激しく私たちは生きられなくなります。

つまり、私たちはこの地上の気候にしても、生きてる身体にしても「水の比熱の大きさ」という特質によって生かされているといっても過言ではありませんし、地球が奇跡の水の惑星とも言われる所以かと思います。

 

初めに申し上げた「比熱と断熱材の関係」のzoomセミナーでは、水の比熱は大きいので水を断熱材として使えば温まりにくく冷めにくい最強の断熱材となるのではと言った話の内容でしたが、その結論には至りませんでしたが今回は最後に「私たちは比熱の大きい水の恩恵により生かされている」に着地しての締めとなりました。 

最後まで当ブログをお読みになった頂きありがとうございます。

まだまだ寒さは続き、身体の冷えは健康・長寿の大敵です。

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Posted in 工務店ブログ!ちょっとオシャレで贅沢な木の家づくり

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