昨日は、佐野の吉田さん(オストコーポレーション北関東)までお伺いました。
吉田さんには、今年初めに完成引き渡しとなった、館林のパッシブデザインを意識して
建てたお住まいの、夏の温熱性能を評価する件について協力していただいています。
来月の第4回自立研関東ゼミにて、発表会の予定となっています。
今回、初めてのご訪問で、とてもロケーション豊かな里山の地にありました。
オストコーポレーションは、羊毛断熱材や北欧の木製サッシなどを取り扱っている
建材屋さんで、吉田さんは自立循環型住宅研究会の世話人をもしている、
自然素材と温熱性能に長けた方です。
10数年前、私が起業して間もなく、吉田さんが弊社にお越しになり、
その後は交流が途絶えていたのですが、3年ほど前の野池学校で会ってから
何かとお世話になっています。
吉田さんのところで取り扱っている、大きな木製サッシです。
この大きさの窓、日本では引き違いが一般的なのですが、この窓は横すべり出し窓で、
開けるとご覧のような大きな開口となり、風を大いに取り込むことができます。
さて、それではここから表題の「窓」についてのお話です。
「窓」の役目はいろいろありますが、
「明かりを取り込むため」「風を取り込むため」「眺望するため」「デザインするため」
と、大きくはこれら4つではないでしょうか。
明かりと風を大きく取り込もうと窓を大きくすれば、
夏は暑さが入り込み、冬は熱の出入りが大きく暖房効率が低下します。
そこでパッシブデザインとしての窓の計画です。
まず方位面としての窓の考え方は、
「南面」 夏は日差しは入らず、冬は日差しが入り込むので、大きめの窓が良い。
「北面」 暗くなりがちな北側の部屋ですが、散乱光を取り入れ、南北に風を通す
ために、北の窓はとても重要です。
「東面」 西日ほど強くない朝日を取り込み、夏場日中の南東の風を取り込みます。
「西面」 強い西日を避け、冬の北西風を遮るために、窓は小さめにです。
次に窓の種類と特徴です。
「引き違い」 日本では一般的な窓ですが、全開した時の窓の開口は1/2で、
気密性に若干の弱点があります。
南面に設ける大きなテラス窓といえば、この窓ですね。
「上げ下げ」 縦長の窓が多く、デザイン重視の窓ともいえます。
「タテすべり出し」 風を呼び込める(ウインドキャッチ)窓なので、季節の風の
向きを考慮した開き勝手をどちらに設けるかが必要です。
「ヨコすべり出し」「オーニング」 窓を開けっ放しでも雨が入り難く、防犯的にも
良いので、小さな小窓にはよく使います。
他には「FIX」「片引き」「ジャロジー」「両開き」など、それぞれ窓の特徴を理解して
使い分ける工夫が必要です。
南面の引き違いテラス戸(4か所)二階真ん中の窓は、デザインを考慮し両開きと両サイドFIX窓。