松島匠建代表 松島克幸です。
あちこちで満開のコブシとハクモクレンが目に映り、桜も開花する春の陽気となってきました。
花粉症の方には辛い季節でもありますが、薄っすらと山が萌え始める冬から春へと変わるこの一時が大好きです。
そして今日は、我が家の次男の大学卒業式ですが、卒業の後は4月から松島匠建にて、新人として設計業務を始め建築の仕事に携わっていきます。
さて、前回の投稿では、「気密を高める理由の一つに、計画的な換気を行うため」と書きましたが、では、その計画的な換気なぜ必要なのか、今回考えて行きたいと思います。
太田のお住まいも最後の仕上げで、可動棚やハンガーパイプの設置、そして食洗機、雨水排水桝の設置、エコキュートの試運転など水道設備関係を残すだけとなりました。
↑ 桧の床板、リビングからキッチン
2003年に建築基準法の改正により、24時間(常時)計画的な換気が義務付けられました。
隙間の多かった従来の住宅では、換気設備など設けなくとも自然に換気が出来ていたものが、住宅の気密性が高まってきた現代の住宅の造りと、新建材などから発生するVOC(揮発性有機化合物)により、シックハス症候群(めまいや頭痛などを発症する)が、大きな社会問題となり、24時間換気が義務づけとなったのです。
このように元は、「住宅の気密性が高まったので換気計画が必要」であったのが、今では「適切な換気計画を行うために、住宅の気密性を高めることが必要」と進化(?)してしまったのです。
では、室内の空気を汚す汚染物質には何があるかと言えば、
1. 新建材や床張りやクロス張りなどに使用する接着剤、購入した家具などから発生るVOC(揮発性有機化合物)などの化学物質
2. 人やペットが呼吸することや、コンロ、ストーブのガスや石油の燃焼によって発生するCO2(二酸化炭素)とその濃度。
3. 外気かの侵入による花粉や塵埃、PM2.5など。
4. ウィルスや細菌など。
5. その他、臭い、カビの胞子、ダニなど。
これらすべて人体にとって良くないものではありますが、2のCO2濃度以外は、換気以外の方法でも少なくする対策は出来ますし、換気ですべて解決しようとするのではなく、材料の選択やつくり方の配慮も重要となります。
換気の方式には「第一種」「第二種」「第三種」「第四種」の4方式がありますが、住宅に主に使われているのは第一種と第三種であって、第四種は自然吸排気によるものなので、現在の住宅には適用できません。
第一種換気方式は、給排気共に換気ファンを用いる換気方式で、熱交換(室温状態を保ちながら空気を交換する)方式のタイプが多く、住宅の高気密高断熱化が進むと共に採用が増えつつあります。
第二種換気方式は、給気に換気ファンを用いて行う換気方法で、屋内の汚れた空気を押し出すように換気します。
この換気方式は屋外の空気を強制的に取り込むため、冬の時期の冷たい空気や湿気の多い空気も取り込んでしまうため住宅では採用されず、例えば工場のクリーンルームや手術室などの特殊な場合に採用されています。
第三種換気方式は、給気は自然給気口で、排気に換気ファンを用いて行う換気方法で、一般住宅の80%近くはこの換気方法であるのが現状です。
建築法規的には、1時間に0.5回の室内空気の入れ換えを行う必要があり、住宅に使われている第一種と第三種の換気方式にも、ダクト式とダクトレス式の分類があります。
そしてその第一種と第三種、そしてダクト式とダクトレス式にもそれぞれメリットとデメリットがあって、たかが換気と思いがちの中にも奥が深く、住宅の造りや住まい方などによっても選択が違ってくるものです。
ダクトレスのパイプファンによる排気の第三種換気は、浴室やトイレなどに設置の元々の換気扇で排気お行い、リビングや寝室などの居室に自然給気口を設けての換気設備ですので、10万円以下のローコストな設備費用と、メンテナンスが容易である事大きなメリットです。
デメリットは排気を機械ファンで行うため、室内が負圧となりドアの開け閉めが重くなる事、そして給気口から夏の熱気、冬の寒気、湿気や乾燥空気である外気を取り込んでしまう事です。
ダクトレスの第一種換気システムは、給排気を換気ファンなので負圧の心配もなく、熱交換が可能なので、外気の影響も少なく、導入コストは30~40万円程度で、メンテナンスも半年に一回のフィルター掃除程度であります。
デメリットとしては、各所に設けた4~6個の換気扇が各々給気と排気を交互に行うため、ショートサーキット(部分的な空気の流れ)の心配がある事、それと部屋に換気扇があるために、寝室などでは音が気になる場合もあります。
二階勾配天井仕様の弊社では、天井裏のダクトの配管スペースがないので、このダクトレス第一種換気システムの「ヴェントサン」を採用しています。
ダクト式は第一種、第三種とも、1台の換気ファンからダクトによって各部屋の給排気、或いは排気を行うので、音は静かであって、ショートサーキットの心配も少ないです。
但し、ダクトの配管距離が長かったり、曲がりが多かったりすると抵抗によるロスが生じ、換気量の差が生じますので、ダクト配管の設計がしっかり出来ないと、設備を活かしきれないことになります。
またダクトレス第一種と同様に、定期的にフィルターの掃除が必要となる訳で、導入コストもダクト式の第一種ともなれば、100万円前後の費用が発生します。
それだけ価値あるものの導入ですので、それを活かしきれるしっかりした設備計画の下での導入が重要でありますが、私どもではダクト式の換気システムの導入経験がないので、その良し悪しに付いては、世間での評価に頼っています。
建築の専門家の中でも、この住宅の換気システムは意見が分かれるもので、その奥深さを感じます。
1時間に0.5回分の空気の入れ換え(換気)が必要と言っても、住宅の気密性、家族の人数、住まいに使用している建材、季節等々によって当然必要な換気量は違ってくる訳で、高価な換気システムが必ずしも正解とは言えないと思います。
最低限言えることは、気密の取れていない家では性能の良い換気システムを導入しても折角の計画換気が出来ない事、そして半年に一度のフィルター掃除が面倒な人には、コストの掛からないダクトレスの第三種換気で良いように思います。
最初に戻りますが、VOCやCO2、そしてカビやウイルスなどの室内の汚染物質を減らすことは重要な事ではありますが、それを換気計画だけで解決すのではなく、それらを発生させない家の造り方の配慮、そして住み始めてからの暮らし方の配慮も必要であって、できるだけパッシブでありたいと思っています。
私たちが呼吸することによって発生する室内のCO2は減らすことが出来ないので、私どもの換気システムにはCO2センサーを取り入れ、換気量をコントロールしています。
洗濯物を室内干ししても生乾き臭はなく、トイレも玄関もどの部屋も生活臭やカビ臭さに悩まされることもありませんし、ハウスダスト、綿埃も少ないと喜ばれています。
地場の木材を活かす家づくりから始まって、化石資源によるエネルギーに依存しない住まいづくりの結果が、高性能な家づくりとなりました。
小曽根の家、桐原の家のOB客様のお住まいのご見学も時々お願いしていいますが、ご満足頂いた喜びの生の声を頂き、ご見学の方の参考になっています。
家づくりをしっかり勉強して、多くの業者を訪ねた末に私どもを訪ねて頂くと、最後の答えが見つかります。
家づくりで後悔しないよう、上辺や見た目の部分だけで判断しないよう、しっかりと勉強してください。住まいは簡単に買い換えることができない、一生で一番高価な買い物です。
夏も冬も雨の日も快適な私どもの体感ハウスです!
高性能な断熱気密性能と、無垢の床板と珪藻土の気持ち良さが分かる松島匠建の体感ショーハウスへ、どうぞご来場下さりその気持ち良さと、夏の涼しさ、冬の温かさ、雨の日の爽やかさをご体感して、ストレスフリーを実感して下さい。
家は3回建てないと満足した家が造れないと言いますが、松島匠建は1度目で納得!満足!のお住まいを建てることをお約束いたします!