17日は前橋にて、建築士の定期講習会。
例の耐震偽造事件より、建築士の社会的責任が問われるようになり、建築士事務所に所属の建築士は、こうした定期講習会を3年毎に受講することが義務付けられました。
当方も建設業登録と共に、二級建築士事務所の登録もしていますので、この講習会の受講となりした。
このような講習会は、これまで幾度か受講してきましたが、200人ほどを集めての空間にて退屈な講義でしたが、今回は10名ほどにて、内容も建築士に重要な法規のおさらいであって、最後まで居眠りせずに聞いていました。
そんな講義の中の一つ
「バリアフリーとユニバーサルデザイン」について取り上げます。
まず「ユニバーサルデザイン」って何でしょうか?
ユニバーサルとは英語で「普遍的な,すべての人々の、全世界の」という意味です。
製品・建物・環境を年齢や性別、身体状況、国籍などに関わらず、あらゆる人が利用できるようにあらかじめ考えてデザインするという概念です。
この考え方は、アメリカの建築家であり工業デザイナーであった故ロン・メイス氏によって提唱されました。
彼は自らの車椅子利用者という立場から、バリアフリーデザインという概念が障害者以外にはメリットがなく、価格も高い上に美しいデザインが少ないと感じました。
それを変えていくために「すべての人のためのデザイン」という方向で考えていくことを提案し、ユニバーサルデザインと名付けたのです。
では「バリアフリーとユニバーサルデザインの違い」は?
「バリア」とは英語で「障壁」という意味です。
バリアフリーとは、もともとあった障壁を取り除くことを意味します。
例えば、歩道と車道の段差,歩道の進行方向に対して横方向の傾斜をなくし車椅子の人が利用できるようにしたり、駅や家にスロープ、エレベーター、リフトを取りつけることで、これまで上がれなかった上階に上がることができるようにすることです。
このようにバリアフリーは 、障害をなくすのではなく、軽減したり、補助装置によって何とか使用可能にしようとする考え方です。
バリアフリーがバリア(障壁)のある環境を何とか使えるようにするために、高齢者や障害者といった特定の利用者を念頭に置いて環境整備を行うもので、
それに対しユニバーサルデザインは、バリアがあることを前提として考えるのではなく、始めからバリアが生じないようにするという考え方をとります。
つまり最初からあらゆる人が使えるようにデザインしておくというところが、バリアフリーとは大きく異なるのです。