こんにちは。
無垢の木と塗り壁とパッシブデザインの家づくりを進めている、
群馬県みどり市の松島匠建(株)の代表松島克幸です。
住宅をプランニングする中で出てくる「窓」について、
今回から連続でお話しいたします。
温熱環境を考える中でも「窓」は、
最も熱の出入りの大きい部分であり、
採光・通風・デザイン・眺望・冬の日射取得・夏の日射遮蔽、
そして温熱性能を考慮してプランニングを進めていきましょう。
窓といっても今やその種類も数多く、それぞれに特徴があり、
選び方、配置のコツなどがあるわけです。
窓と聞いてまずイメージするのは、「引き違い窓」でしょうが、
今回はその「引き違い窓」そして「片引き窓」についてお話します。
テラス窓の「引き違い」(左側)と「両袖片引き」(右側)
日本の窓で最も多く使われれ一般的である「引き違い窓」は、
大きい窓から小さい窓まで寸法が豊富で、コストが安いのが特徴です。
この「引き違い窓」は左右に引き分け、
窓を開けると窓面積の約半分の開口が取れます。
「片引き窓」の場合は、約3分の1の開口となります。
片引きの大きい方の窓は「FIX部分]と思われがちですが、
実はこちらも開閉が可能です。
腰窓の片引き窓
「両袖片引き窓」というものもあり、
これは引き違いの4枚戸の真ん中2枚が一つになったFIX窓に、
両側に片引き窓があるものと考えてください。
これら「引き違い・片引き」の長所は、
開口の大きな窓がつくれることで、特にテラス窓(掃き出し窓)の
殆どはこの「引き違い・片引き」の窓となります。
そして、窓が左右への開閉(開けた時に窓部分が外に突出しない)なので、
雨戸、シャッター、面格子などの取り付けが可能なことです。
短所は、小さな窓の場合にガラス部分に比べてフレームの割合が多く、
フレームが目立ち、デザイン的にかっこが悪いものとなります。
そしてもう一つの欠点は、「気密性が悪い」ことです。
引き違い窓は、左右への開閉のために戸車が付いているので、
窓枠と窓の間にどうしても隙間ができてしまいます。
シングルガラス時代の引き違い窓に比べれば、気密性はかなり向上しては
きましたが、ほかの種類の窓に比べれば気密に劣ります。
群馬県南部平野部の、冬季北西の季節風が強くて砂埃の激しい場所では、
北面と西面の窓には、この引き違い窓の配置はお奨めできません。
以上、今回は引き違い窓、片引き窓についてでした。