こんにちは。
無垢の木と塗り壁とパッシブデザインの家づくりを進めている、
群馬県みどり市の松島匠建(株)の代表松島克幸です。
愛工房サミットに参加して、そして愛工房の発明者
伊藤好則氏の著書「樹と人に無駄な年輪はなかった」を読み、
杉の素晴らしさを再認識することができました。
板橋区の愛工房ビルで開催された「愛工房サミット」
杉の学名は「Cryptomeria japonica」と言います。
「 japonica(ヤポニカ)」は日本を意味し、
「Cryptomeria (クリプトニカ)」「隠れた財産」という意味を
持っているそうです。
すなわち杉の学名「Cryptomheria japonica」は
「日本の隠された財産」を意味します。
醤油樽、味噌樽、酒樽には杉が使用され、日本の「食」と「住」には
欠かせない、隠れもしない大切な財産であったわけです。
木には「芯材」と「辺材」とがあり、特に杉はそれが顕著であって
杉の辺材は「白太」芯材は「赤身」と言って、見た目も性質も
大きく違います。
また、赤身は一般には薄い赤色をしていますが、中には「黒芯」という
赤色ではなく黒色の芯材の杉があります。
この「黒芯杉」は水分が多くて大変乾燥し難いため、現在は
とても評価が低い悪い木とされていますが、時間をかけて乾燥させた
「黒芯杉(愛工房では黒杉と名付けた」は腐らず、カビず、虫が入りません。
愛工房伊藤氏はこの黒杉を最も優秀な木と評価し、
黒杉を積極的に乾燥させていました。
愛工房ビルの階段は「黒杉」の踏板を利用していました。
45℃の温度で乾燥する低温乾燥機「愛工房」はこの黒杉も
見事に乾燥させてしまい、黒杉をプレミア材として活かす
今の常識を覆す乾燥機であり、開発者の伊藤氏でありました。
「生命を持った生き物である木にとって、100℃を超えるような
温度で乾燥することは、木に必要な成分を吐き出してしまい
乾燥機の中で木が苦しんでいるように見える」
と伊藤氏は言い、そこから木の乾燥に最も適した45℃を
試行錯誤の上に導き出したそうです。