杉(すぎ)檜(ひのき)といえば、日本の代表的な針葉樹で、建築材として広く使われている木材です。
その杉という木材一つでも、産地域によって特徴のある木材となり、良く知られている名前では「秋田の秋田杉」「山形の金山(かねやま)杉」「栃木の日光杉」「千葉の山武(さんぶ)杉」「静岡の天竜杉」「奈良の吉野杉」「京都の北山杉」「高知の魚梁瀬(やなせ)杉」「屋久島の屋久杉」など、多くの産地と名前があります。
それらは、気象条件・品種・植林方法などによって、その違いができるわけです。
杉・檜のその殆どは人工林なんですが、、天然林で代表的なところといえば「秋田の秋田杉」「高知の魚梁瀬(やなせ)杉」「屋久島の屋久杉」などがあります。
秋田杉といえば、かつては天然秋田杉のみを指していましたが、最近では、人の手をかけて育てた杉を「秋田杉」、自然に育った杉を「天然秋田杉」と呼んで区別しています。
屋久島の屋久杉はみなさんご存知のはずで、縄文時代からの「縄文杉」まで存在しています。
高知の魚梁瀬(やなせ)杉は、私もその天然林を実際に見てきたこともありますが、高級無垢の天井板にも使われているほどの、屋久杉同様桁違いの優れものです。
このように天然杉林は、極一部の地域に限られているわけですが、林としてではなく点在的な植生としての天然杉は、各地にて稀でもありません。
杉の木の寿命に関しては200年とも500年ともいわれていますが、もともとその地に適して育った天然木の方が悠に長生きなわけで、管理された木のほうが短命なわけです。
このように杉林も大別すると「天然(杉)林」か「人工(杉)林」か、ということに分けられてしまうものですが、人工(杉)林においても、その差は様々です。
産地の気象条件は勿論ですが、「杉の苗木の種類」「苗木が挿し木苗か実生苗か」「植林方法が密植か疎植か」「植林後の手入れ方法」などの差により、産地特有の杉材ができ、木の寿命も一概ではないはずです。
一般に杉の適所とは、(関東近辺において)雨が多くて標高500~700mの地域が良いとされ、丁度私たちの地域が「杉の適所」であり、良質の杉材の産地のようです。