わが家の山の杉で、一番樹齢の古い70年生の杉の木、一番太いのは、直径40cm以上あります。
これから製材所まで運び、梁や板に挽きます。
一般的に杉の60年70年といえば、今までは皆伐(全部伐採)して再造林していましたが、この木は70年でも間伐です。
では、なぜ皆伐しないで間伐なのか?
現在70年の杉の木一本(約1㎥)の値段は約1万円です。
この値段が高いか安いかは、見当がつかないと思いますが、この木がここまで育つには多くの手間暇が掛かっています。
しかも、この木を植えて手入れをしてきたのは、この木を伐った私ではなく、一代前の父、或いは二代も前の祖父が植えて手間暇かけて育ててきた木です。
一本1万円の内、伐り出しに半分以上の経費が掛かり、皆伐すればまた再造林のための経費も掛かってきます。
ハッキリ言って今の木材価格では、先人が苦労して植林し手入れしてきた苦労が報われない値段なので、とても皆伐などできないというわけなのです。
今、日本には使われるべき木が山に沢山あるのに、多くは海外からの輸入木材を使い、日本の木が使われないでいる。
そのため山の手入れがされずに山が荒廃してしまうから、国産材を使いましょうと言われています。
確かにその通りなのです。
しかし私はその前に、先人の人たちの苦労に報い、木が喜んでくれるために国産材=我が家の木を使っています。