先のブログ記事「70年生の杉」の中で、
材木価格が安価なために、皆伐して再造林をする気になれない」と書きました。
確かに現在の木材価格では、材価収入の殆どを伐り出し経費に引かれ、次の再造林に掛ける経費まで捻出できませんし、60~70年の時間を掛けて木を育ててきた酬いもあります。
そしてそのこと以外にも今、再造林の意欲を削ぐ大きな問題があるのです。
それは、鹿・熊などの野生動物による杉桧の皮むき被害です。
(植林した半数以上は鹿の皮剥き被害により、茶色くなって枯れています)
「山奥の元々獣のテリトリーだった所にまで植林した結果、鹿の餌が不足して杉桧の皮向いて樹液をなめるようになったのだ!」
と言う意見もあります。
それを完全に否定はできませんが、ここ十数年において鹿などの野生動物の生態数が増加していることも事実です。
それは、狩猟者の数の減少やオオカミの絶滅により、天敵が少なくなったこと。
十数年に一度の大雪による自然淘汰がここ最近なくなったことなどです。
それら、獣による食害被害を避けるために、忌避剤の塗布や防護テープ巻きなどを施す手立ても行っていますが、完璧に防ぐことは今のところ難しいのが現状です。
植林した木を