物質や材料の分け方には様々なものがありますが、家づくりの関係では「人工素材or天然素材」「地下資源or地上資源」などの分け方があります。
そういう分類の中でも「有機物or無機物」という分け方は、シックハウスのことを理解する上で重要なことです。
有機物というのは「有機化合物」や「炭素化合物」とほとんど同じ意味で、「炭素を骨格として水素や窒素、酸素等を含む複雑な化合物。(ただし、炭素を含んでいても二酸化炭素や一酸化炭素は例外的に有機物とは呼ばず、無機物と扱われる)」のことです。
人間も含め地球上の生物の体は、ほとんど有機物でつくられています。
また有機物は、燃やすと二酸化炭素を発生する物質、或いは加熱すると黒くこげて炭になる物質が有機物です。
石油も生物の死骸が化学的に変質した物なので有機物ですし、さらには石油を化学変化させてつくるプラスチックなどの石油製品も有機物ということになります。
一方の無機物の例としては、ガラス、鉄、アルミニウム、石などがあり、これらの物質は炭素を骨格にしていません。
なぜ、こんな有機物と無機物の分類とシックハウスが関係あるかといえば、シックハウスの原因になっているのが「有機物」であるからです。
ホルムアルデヒドはもちろん有機物ですし、シックハウス関連でよく耳にする言葉で「VOC]というのは「揮発性有機化合物」の略称です。
そしてシックハウス対策としての建材選びの基本になるのが、「建材を構成する材料を有機物と無機物に分ける」ことで、有機物である材料が分かったら、次にそれは「合成化学物質か、天然の化学物質か?」さらに「毒性や揮発性は?」というように追いかけていきます。
連続メールセミナー「環境と健康に配慮した家をつくるには」より