花粉が飛び交う季節です。
「本来の林(森)と言うのは高木・中高木・中低木・低木と、各種雑多でその土地に合った木(潜在自然植生)が入り混じり、育つことが良いわけで、スギならスギばかりを植えてしまうと、自然に反してしまうため、杉の木が子孫を残そうとして花粉を多く出してしまうわけ」
これは、『鎮守の森』で世界に知られた宮脇昭氏の言葉。
確かに戦後、木材の不足からスギやヒノキを頻繁に植林し、人工林が増えすぎてしまった事は事実です。そして今、その森の手入れが行き届かなくなり、人工林の荒廃が深刻になり、花粉を多く飛散させる結果となっているのかもしれません。
人工林が増えすぎたからと言って、その木を皆伐してしまい広葉樹に植え替える事、これも決して自然な方法とも言えないのです。 放置しておく事は勿論最悪の事であるのだが、現状この状態の森が一番多いわけです。
私が所有している人工林において、どう持って行ったら良いか考えていますのは、5年に一度の間伐を繰り返す事です。 間伐をする事で下草や低木が茂る森になります。 そうやって、一般には60〜70年で皆伐してしまうのですが、60〜70年後にも間伐を繰り返し、混合林へと持って行き、針葉樹と広葉樹の共生林にする事が一番自然に近い方法かと思っています。
方角向きの良いヒノキ林などでは、天然更新も可能になってきます。 いづれにしても、間伐は欠かさずして、充分な光が差し込むスギ・ヒノキ林へと、今は心掛けているわけです。